-朝倉慶の株式投資・株式相場解説(朝倉慶チャンネル)2019/6/28-より

皆さんこんにちは、朝倉慶です。

6月最終週、朝倉慶チャンネル、始めたいと思いますけれども、なんといっても、今の市場の関心は、土曜日に行われる米中首脳会談がどうなるか、ということの1点に尽きるといっていいと思います。


米国が中国に「第4弾、関税をかける」延期?やらない?その理由

今のところ、大勢の見方としては、継続協議ということになり、米国が、第4弾、関税をかけるよ、ということで、33兆円分の関税を25%かけるということに関しては、延期するんではないかというような見方が大勢で、私も、そうなるんではないかな、というふうに考えてます。

昨日の段階で、香港発ということで、今言ったように、第4弾は延期ということで、6カ月間、米中のいわゆる貿易戦争は休戦、ということが報道されて、ドル円相場は108円台にのったんですけども、今日の朝の報道ですと、中国側が、Huaweiのことを、不公正なことをやめてもらいたいという要求を出してるということで、ちょっと、先行きはまだ分からないというような見方になってるんですが、結局、アメリカ側も、この第4弾っていうのはあまりやりたくないんです。

この間、公聴会があったんですけれども、やっぱり、大反対の大合唱なんです。

例えば、今回第4弾で、いわゆる関税をかけるっていったものは、例えば、玩具とかパソコンとか靴とか鞄とか、かなり中国に輸入を依存してるところが多いんですね。

ことによっては、例えば、パソコン、ノートパソコンみたいなものは、9割以上ですから、それから、おもちゃもそうです、8割以上だと思います。

そうすると、代替品は探せるでしょうけども、やはり、公聴会で言ったことは、1年半以上はかかるということなんで、どうしても、やっぱり、難しいということなんです。

だから、そうなれば、アメリカのそういった物価が上がってしまうっていうことは必至なので、ここは、アメリカ側もちょっと、第4弾をやりたくないんではないかと思うんです。

そうなると、この辺のところが、アメリカ側の、いわゆる思惑というところだと思います。ただ、中国側は、なんとしてもHuaweiの問題を解決したいということで、やはり、Huaweiの製品の中国の半導体の、いわゆる、自分のところでやれる比率っていうのは、これは2割以下なんです。

半導体の8割以上を、輸入に依存してるわけです。ここの放送でもいいましたけれども、石油の輸入よりも、原油の輸入よりも、半導体の輸入額のほうが大きいくらいなんです。そうなるとやっぱり、いかにHuaweiが技術力があっても、全ての半導体をつくれるというわけではありませんから、ここの問題、なんとかしたいという気持ちはあると思います。

そのせめぎ合いで、どうなるかということなんですけれども、一応、今言ったように、私は、第4弾は延期になる可能性のほうが高いだろう、というふうに見ています。となると、昨日、日経平均230円以上上がった、250円高したわけなんですけれども、昨日見てて、結構動きは軽いなという感じがしました。

やはり、枯れきってるというところがあるので、少し視界が入ると、するするする、と上がるなというイメージがありました。今日、今、放送してる現在は、日経平均70円以上安いというとこなんですが、昨日上げた反動ということと、昨日は108円台まで入ったドル円相場のほうが、107円の70銭台になってる、ということも大きいんではないかなというふうに思います。


最高値になっている各国の株価。日本は?

というわけで、市況を1つ1つ、ちょっと、ご説明していこうと思いますけど、これ、日経平均です。今言ったように、2万1,250円台ということで、じりじり戻ってきてはいるんですけれども、やはり、どちらかというと、これ、重いという感じです。ニューヨークダウ。S&Pは市場最高値とったあと、ニューヨークダウもほとんど最高値に近い。

それから、インドの株も市場最高値、ブラジルも10万ポイントにのせて最高値。

それから、例えば、ドイツなんかの株価も今年の高値近いわけです。そうなると、日本の株の出遅れというのがどうしても目立つんですけども、これ、前回の放送で言いましたけども、円高が重しになってるということなわけです。

今言ったニューヨークダウ、これ見てください。ここ、直近少し下がってきましたけれども、おおむね、これ、市場最高値が2万6,900ドルですから、そのラインにほとんどいるということなんです。こういうふうに見ると、やっぱり、この状態で金利を引き下げるということですから、これは、政策としては強烈なわけです。

為替も見ておきましょう。この状態で、やっぱり、ドル円相場はやっぱり、107、8円台ということで、やっぱりどうしても、日本の企業の設定為替レートが、108円の後半といったところなんです。ですから、それ以上円高になると、どうしても、下方修正という懸念ということで、どうしても、これが日本の相場の頭をおさえているということになります。

ただ、今言ったように、各国高いわけで、日本株がずいぶんやっぱり安いので、配当利回り、PER、PBR、何見ても安いという状態になってますので、ほかの国の株がどんどん上がる状態の中で、やはり、出遅れ感というのは必然的に出てきてる、というのが今の現状かな、という感じがします。

日経平均なんですけども、具体的に見ると、これは、今まで見てもらったのは、日足ですけども、週足で見てもらうと、これ、ドルベースの日経平均なんですけれども、ここ見ても分かるように、200ドルのところなんですけども、節目になってるんです、ここが。

ここのところがどうも、節目になっていますので、ここを抜けるかどうかということで、やっぱり、外国人が、持ち株比率が30%割れたという報道がありまして、昨年1年間は、やっぱり、外国人の売りというのがだいぶ出てきてるわけなんですけれども、日経平均、われわれが見てる日経平均とは違って、外国人から見た日経平均っていうのはこのチャートになりますので、ここ、この200ドルを抜けるかということも、1つのチャート上のポイントというふうに見ていいんじゃないかな、というふうに思います。

で、先ほど言いましたけど、相場は非常に強い、という感じがします。で、この状態で、やはり、金利を引き下げるということは、強烈なんです。特に、アメリカのトランプさんの、いわゆる金融当局FRBに対するプレッシャーっていうのはすごいですよね。

パウエル議長に対して、「私がパウエル議長を引き上げてあげて有名にしてあげたのに、いい仕事をしてない。」ということで、非常にぼろくそに言ってるという感じなわけです。

19日の段階で、金利引き下げというのは起こらなかったんですけど、今、市場では、7月は100%、FRBは金利を引き下げるだろう、という見方になってるわけですから、このプレッシャーたるやすごくて、ついにトランプさんは、FRB議長に、ECBのドラギさんを据えるべきだということを言ってるぐらいで、これは、中央銀行に関しては、トランプさんの発言なので慣れっこになってるということはあるかもしれませんけど、強烈な、やっぱり圧力が加わってると見ていいと思います。

パウエルさんも、昨年12月の段階で、トランプさん、金利を上げるんじゃない、と言ったにも関わらず引き上げて、結局、世界的に株価暴落、クリスマス暴落ということを起こしてしまって、今年の年初から方針を変えたわけですけど、このトラウマというのは大きい、ということと、それから、7月、金利引き下げっていうのは、100%を売り込んでるときに、これをやらないと、一部そういう見方もあるわけなんです。

アメリカの経済、調子がいいですから、「やらない」ということになって、仮に相場が急落するということになったら、これは、激しい市場のパッシングと、政府からの怒りをかりるということになるでしょうから、とてもそれはできないと思うので、どのようなことがあっても、7月、金利下げるということは必至だと思います。

っていうと、ここを見てもらいたいんですけれども、通常、株価が市場最高値にあるところで、金融政策で金利を引き下げたということは、今までないことなんです。で、これはやはり、強烈ということだと思います。しかも今、次から次へと資金が市場に流入してきてる、ということはあると思います。


次から次へと資金が市場に流入してきてる?

特に驚いたのが、ビットコインですよね。どんどん上がる、上がるということで、日本円で45万円ぐらいで、それでも高いかなと思ってたビットコインが、なんと、あっという間に135万まで行ってしまって、このチャート。それで今、ちょっと下がってるということではあるわけですけれども。

これなんかはやはり、いわゆるイラン情勢もあるし、中国の情勢もあるわけですけども、資本投資というのも起きている、ないし、情勢が分からないということで、いわゆるアングラマネーですね。ブラックマネー、こういったところがビットコインに一旦、買って、それで表に。まあマネーロンダリングですね。

そういったこともあって、ビットコインがこれだけの人気になってるんじゃないかなというふうに思います。もう1つ、これはロンダリングという部分だけではないと思いますけども、この●(00:10:55)もですね。これも1350ドルから1360ドルっていうのは、強烈な節目だったんですが、ついに一気に抜いて1439ドルまで値段が入ってきたということで、これもやっぱり強烈に変わってきたかなという感じがしますね。

やはり非常に不透明だという中で、ビットコインにお金を入れよう。石油にもお金を入れよう、金にもお金を入れようという中で、株価は史上最高値、それから債券価格も米国債2%割れで最高値。要は、株は買われる、債権は買われる、ビットコインは買われる。それから金は買われる、原油は買われるという中で、金利を引き下げるということで、これは強烈だなという感じがしますね。

原油はこういう形ですね。60ドルに近づいてきたということになってきました。

米国債の金利も見ましょう。こういうふうに、米国債の金利も3.2%あった金利が、ついに2%割れから、2%台をウロウロしているということなのが今の現状なわけです。

こういうふうに見ると、先ほどいったように、非常に日本の相場っていうのも、やはり枯れきってるというところはあるわけなんですね。今週、月曜日、売買代金、1兆4,000億ということで、4年半ぶりの低水準ということでした。

ここまでやはり売買が減るかなということで、私も驚きましたけども、やはり少し様子見。ちょっとG20もあるし、先行きが見えないということで、手が出ないというのが、今の状況なんでしょうけれども、反面、この放送で何度かお話ししましたけど、昨年3兆6,000億、最高あった信用残は2兆円ちょっとというところまできて、全く過熱感はない。

それからそれだけではなくて、これ、最低取引の残高なんですね。これは先物に絡んで。最低残ということで、大きく出るところはあるわけなんですけれど、これがなんと3,900億ということなんですね。これ多いときは、4兆円近くになったり、昨年10月のときも2兆6,000億までいったということもあるわけなんですね。

それが最高値の10分の1近い水準ということなんで、今の状況ですと、仮に大きく売り仕掛けが出ても、追随する売りがないという感じで、あまり相場に弱気になることも危険というふうに感じます。先ほどいったように、かつてないんです。この状態で金利が引き下げたことはないわけで、むしろバブル化する、その走りとして、これだけビットコインが買われているという可能性も強いなという見る必要があると思いますね。

今、いったように相場は枯れきっている上に、自社株買い、それから配当というのも強烈です。配当に関しては15兆円ということで、日本株の配当も過去最高ということになりました。それからゴールドマンサックスの試算によると、アメリカの自社株買いと配当金を合わせた金額はなんと1兆4,500億ドル。

日本円にすると、150億兆円という膨大な額が、株式の支援といいますか、そういった配当、自社株買いに投入されているというのが現状なんです。

こういう現状も考えながら、今の枯れきった状態というのを見てもらいたいと思います。

幸いなことに、7月は外国人買いが入りやすい時期です。日本株の場合は、外国人の投資ということで左右されちゃうところもあるんですけど、4月に次いで7月は外国人買いが入りやすい月ということなんです。こういうこともあって、相場のほうが7月ということになると、大きく変わって来る可能性もあるというふうに思います。


一方で、この放送で何度かお話ししましたけど、米国とイランの関係というのは予断を許さないので、そちらに対する、いわゆる原油。私の月刊CDですね。月曜に録ったんですけれども、ここで、そのヘッジのためには何を買ったらいいのかということを、じっくり話しておきましたのでそういったことも参考にして、ヘッジのためにはこういうものがいいんだな。ないしは、そういうことが起こると考えている人は、そういういわゆるイランとの軍事衝突が起こったとき、今、急騰するようなものがありますよということを紹介しておきましたので、そういったものも参考にしてもらえればと思いますね。

というわけで、いろいろお話ししましたけれども。7月20日、朝倉セミナーやりますからね。動画でも、これ本当に観てもらって、それなりに話してるというところなんですが、セミナーの場合はface to face ですからね。ガンガン話しますからね!受け取り方が違うです!これ、強烈ですね。ぜひ、このセミナーも来て、朝倉のエネルギーを受け取ってもらいたいんですよね。7月20日です!

というわけで、皆さん。G20は明日!おそらく、休戦、第4弾は延期になるんじゃないかと思いますけど、何とも言えません。イランの情勢も何とも言えません。しかしながら、相場は枯れきってる。こんな状態で引き下げして、バブルが起こるかもしれない。

こういった状況も考えながら、今の状況を冷静に判断してみてくださいね。

どうも、皆さん、1週間、ご苦労様でございました。G20はどうなるか。そんなとこを見ながら、来週なんですけども、頑張っていきましょうね!