株式の役割

「株は怖い」「株はギャンブルだ」・・・そんな考えをお持ちの方であっても、実は、それほど株のことを知らない方もいらっしゃるかもしれません。私、永瀬が     株式運用にまつわる仕組みや言葉について解説してみます。

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まず今回は、株式の役割です。

 

株式運用と会社とは切っても切り離せない関係です。株式運用とは、「お金を増やす、減らす(つまり、運用する)」だけでなく、お金を通じて会社の成長を支援していくことに他ならないからです。

 

さて、この日本には何社の会社があるでしょうか。総務省統計局の調査によれば、日本には400万社以上の会社があるそうです。この400万社以上ある会社が日本の経済を支えています。そういった会社は、ビジネスを通じてお金を生み出していくことが必要です。従業員に給与を支払うだけでなく、会社を成長していくために投資を繰り返し行っていきます。

 

例えば、あなたは自動車を生産する企業に勤めているとします。エコ社会の需要が今後も増えていくことを見越して、今までにない新しいエコカーを作ろうと思います。

会議も重ね、企画書も通りました。しかし、今会社が保有している機械だけでは大量生産することは難しそうです。

 

このように製品を生産・増産していくためには、新しい機械を購入することが必要になってきました。つまり、設備投資を言われる行為を行っていきます。

 

ここで、お金が必要になってくるのです。

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銀行から融資を借り受けるということもありますが、事業のためにお金を出してくれる人(投資家)からお金を投じてもらい、会社のお金を増やすことで会社の持ち金を増やすことができるのです。

 

企業は資金調達としてのメリットがありますが、では投資家にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

 

投資家は、お金を投じることで「株式」と言われる「会社の運営参加権利」を得ることができます。この権利を持つことによって、投資家は会社の経営に参加し経営に対して意見を言うことができたり、企業の稼いだ利益の一部を受け取ることができたり、株主優待として企業からの贈り物を受け取ることができます。

 

株式のもう一つの特徴として、一度市場に出ますとオークションのような形式でやり取りされることになります。株式を欲しい人・手放したい人のバランスによって、株式自体の値段がその都度変わっていきます。

 

株式の値段の事を株価と言いますが、株価はその企業の業績が想定よりも良かったり、今後の需要が上がったりして人気が出るとその株式を欲しい人が増え、売りたい人の方が優位になるので株価は上がります。逆に企業の業績が悪かったり、不祥事があったり、需要がなくなってしまったりして人気がなくなるとその株式を手放したい人が増えるので、欲しい人に合わせて株価は下がります。

 

また株価は、その株式を持ち続けている限りは変動していくのですが、株式を手放した時に株価は確定し、その株式を手に入れた時と比較して値段が上がっていたら利益を得ることができ、値段が下がっている時には損をすることになります。つまり投資家は、特別な権利と合わせて株式自体の値上がりに期待して株式を所有するのです。

 

このように株式は、事業のためのお金を集めたい会社と、特別な権利と株式自体の値上がり益を受け取りたい投資家をつないでいきます。そして、会社の成長を支えていくことは、大きな視点で捉えると日本の経済の発展にも貢献していくことができるとも言えるのです。

 

株式の役割について説明させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。「株は怖い」「株はギャンブルだ」・・・株の本当の役割を知らなかったばかりに抱いていた悪い印象がなくなっていただき、少しでも興味を持っていただければ嬉しいです。

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