金融業界に必要とされる公開評価システム

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現代の消費行動は作り手(メーカー)側の主導による需要創造から小売側主導を経て、消費者に移っています。また価格決定に至る経緯もメーカーが決めた価格から小売が決めるオープン価格、そして現在は価格比較によるサイトなどで消費者が口コミで良さそうな商品を探し出し、同じ商品を安いお店から選ぶことができます。ましてやスマホの登場で、量販店で店員から情報を聞き出し一旦店を離れこっそり検索、そして申し込み。店員に「ありがとうございました。また来ます。」などといった経験がある人は1人や2人ではないと思います。

 

投資業界の現状

 

投資業界ではどうでしょうか。一番難しいのは、客観的評価ができないことだと思います。銀行間の金利比較などはできると思いますが、投資信託(日経平均やTOPIXのパフォーマンス比較 低コスト比較)や社債(格付・金利比較)など趣旨が全く同じカテゴリーでの比較は簡単にできると思いますし、モーニングスター社などではリスク面からリターン面まで考慮して投資信託などのレーティングを取り入れている企業もあります。また株式の評価は各証券会社がアナリストを抱えていて個別銘柄についてレーティングで何段階までで評価したり、またクイック等の情報機関等が各社アナリストの平均を提示し、アナリストコンセンサスを提示したりしています。

 

ただ上述したように投信評価は絶対的基準では比較可能なものの、客観的基準ではどうしても評価にあいまいさが残ってしまいます。つまり今までファンドマネージャーの目利きで運用成績が良かったファンドでも相場の思わぬ変動やファンドマネージャーの交代などで運用体制が変更になって一気に変わることは往々にしてあります。

 

また個別株においても担当者の見方によって投資評価が百八十度違うケースもあります。以前ミクシィがスマホ向けゲーム「モンスターストライク」を出したばかりのときA会社は目標株価6000円以上で提示し、しかしB会社は1000円台で目標株価を提示するなど極端なケースもありました。結果的にはモンストが予想以上の大ブレークを果たし、A会社の大ヒットでした。

 

保険業界は…?

一方、保険業界ではどうでしょうか。国内大手のパッケージの保険商品の比較は非常に難しいですが、外資系や損保系の生保などは医療保険やがん保険、定期保険や終身保険などを単品で出しておりこれらに対する価格比較などをすることは保険代理店などには置いてあることが多く簡単な比較することはできます。しかし、保険においても何の保険が各々に合っているかはその価値の算出が難しく、価格比較はできるものの客観的判断は難しいと思われます。

 

より良い投資商品を選ぶには

以上取り上げたように、投資商品は本当にいいものかどうかを客観的に探すのは、一般の商品と違い難しいです。しかも収益性を追求すればするほど選ぶ商品によってものすごい差になってしまう可能性があります。こうした問題をどうしたらいいのでしょう。一つは、信頼できるFPなどに相談することです。もちろんその場合でも、その担当するFPの主観が入ってしまうことは否めません。

 

しかし、信頼できるFPなら一緒にモーニングスターで確認するなり、各証券会社のアナリストレポートを確認するなどして購入する銘柄を探してくれるはずです。また最近は保険会社も乗りあっているIFAなどの証券系FPもありますのでそこでいっぺんに相談できるかもしれませんね。

 

 

※本サイトで紹介する意見や予測は、筆者個人のものであり、所属する金融商品仲介業者としての意見や予測を表わすものではありません。また、紹介する個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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